2050年までに水没の恐れ ロンドンで「放棄の危機」にある地域が判明
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    2050年までに水没の恐れ ロンドンで「放棄の危機」にある地域が判明

    2025年10月14日

    保険会社アヴィヴァ(Aviva)の最新調査で、気候変動による洪水リスクが高まり、ロンドンの複数地域が将来的に居住不能になる可能性があることが明らかになった。中でもバーモンジー&オールド・サザークでは、2050年までに住宅の92%が浸水リスクにさらされるとされている。

    近年、ロンドンでは洪水被害の深刻化が進んでおり、その主因は言うまでもなく気候変動だ。保険会社アヴィヴァ(Aviva)が実施した新たな調査によると、今後の極端気象によって首都の一部地域が将来的に放棄される可能性があるという。

    調査は、イングランド・スコットランド・ウェールズ全域の各選挙区を対象に、洪水への脆弱性を保険リスクの観点から分析したもの。今後も暴風雨や海面上昇が続けば、特定の地域は保険適用外となり、事実上居住不能になる恐れがあると指摘している。

    特に深刻なのはロンドンのような人口密集地域だ。海面上昇による潮位上昇テムズ川などの河川氾濫という「二重の脅威」にさらされている。調査結果によると、2050年までに最も深刻な影響を受ける可能性が高いのはロンドンのバーモンジー&オールド・サザーク(Bermondsey and Old Southwark)で、同地域では住宅の92%が浸水リスクを抱えると予測された。

    このほか、影響が大きいとされる上位20地域のうち7地域が大ロンドン圏に含まれる。具体的には以下の通り。

    洪水で「放棄の危機」にあるロンドンの7地域(2050年まで)

    1. バーモンジー&オールド・サザーク(92%)
    2. ヴォクスホール&カンバーウェル・グリーン(73%)
    3. バタシー(65%)
    4. ペッカム(46%)
    5. ウェストハム&ベクトン
    6. ライムハウス&ポプラー
    7. エリス&テムズミード

    ロンドンを救うための提案

    このままでは“ロンドンがアトランティスになる”と警鐘を鳴らす声もあるが、専門家たちは複数の解決策を提示している。たとえば、都市を**「スポンジシティ(吸水都市)」**に変える構想や、テムズ川沿いにガラスの防潮壁を建設する案などだ。

    アヴィヴァの英・アイルランド保険部門CEO、ジェイソン・ストーラ氏は次のように述べている。

    「私たちの報告書の内容は深刻ですが、今ならまだ間に合います。防潮インフラへの継続的投資、洪水危険地域での新築規制、住宅の耐水強化、自然を活用した対策への投資を進めれば、将来の被害を軽減できます。」

    同氏は、今すぐ行動を起こすことで「数百万世帯と歴史的建造物を守ることができる」と強調した。

    この調査は、ロンドンが直面する現実を突きつけるものだ。テムズ防潮堤が象徴する防災都市としての自負を維持できるかどうか、その鍵は迅速かつ協調的な気候対策にかかっている。