三菱地所、ロンドン南岸に8億ポンド投資 4,000件の雇用創出へ
2025年9月29日
三菱地所はロンドン南岸で大規模開発「Vista」を開始。8億ポンドの投資で4,000件の雇用を生み出し、創造産業を支援する文化・商業ハブを整備する。
ロンドン南岸が大規模な変革を迎える。日本の不動産大手、三菱地所が8億ポンド規模の開発プロジェクト「Vista」を着工し、4,000件の雇用創出と英国の創造産業への新たな活力注入を目指す。
Vistaは、60万平方フィートを超える商業・文化スペースを提供し、そのうち4万平方フィートはランベスの新興クリエイティブ産業向けの手頃なオフィススペースとなる。旧ITVスタジオ跡地を高級オフィス、文化施設、スタジオ、ギャラリー、プレゼンテーション空間に再開発し、賃料割引の文化ハブも設ける。
政府関係者もこのプロジェクトを英国経済への「信任投票」と評価。投資担当大臣ジェイソン・ストックウッド氏は、「三菱地所の投資はクリエイティブ産業を支援し、企業成長と雇用機会の創出につながる」と述べ、在英日本大使鈴木浩氏も出席した。
三菱地所の岩瀬正紀上級執行役員は「Vistaは南岸地区の文化的遺産を尊重しつつ、持続可能で包括的な職場を提供する新たな章の始まり」と述べ、ランベス区、グレーター・ロンドン庁、英国政府との協働を強調した。
英国政府は創造産業を成長戦略の主要分野と位置づけ、2035年までに投資額を310億ポンドに拡大する計画。南岸には既にナショナル・シアター、BFI、サウスバンク・センターなどの施設があり、年間2,000万人以上が訪れる世界的な創造産業の拠点だ。
Vistaには手頃なオフィスや割引文化施設を組み込み、地域の才能育成やスタートアップ支援を目指す。文化ハブは小規模事業者に中央ロンドンのスペースを提供し、草の根のクリエイティビティを促進する。
75周年を迎えるサウスバンク・センターとの連動で、地区の国際的なクリエイティブ拠点としての地位を強化する狙いもある。
環境面でも高い基準を目指し、再生可能エネルギー、先進的な省エネ措置、建物の炭素排出削減に取り組む計画。これは英国政府のクリーンエネルギー戦略と連動し、経済成長と環境責任を両立させる取り組みだ。
今回のプロジェクトは、政府の「Plan for Change」における国際投資誘致戦略の象徴的事例であり、長期的な国際企業の投資確保を通じて雇用と経済安定を図る狙いがある。ストックウッド氏は「現代的な産業戦略は、1年先ではなく10年以上先を見据えた投資計画を可能にする」と述べた。
建設が進むVistaは、商業的成功と文化的活力、持続可能な設計を融合させたロンドンで最も注目される再開発プロジェクトの一つとなる見込み。三菱地所にとってはロンドンでの長年の関係を確固たるものとし、ランベス区とロンドンには新たな雇用と投資、英国創造経済の中核としての役割強化が期待される。