ロンドンの中世教会塔、地上約14メートルで宙に浮く前代未聞の工事
    ロンドン
    All Hallows Staining
    シティ・オブ・ロンドン
    高層ビル
    保存建築
    中世建築
    再開発
    歴史的建造物

    ロンドンの中世教会塔、地上約14メートルで宙に浮く前代未聞の工事

    2025年9月24日

    14世紀に建てられたAll Hallows Staining教会塔が、シティの超高層ビル建設に伴い45フィート(約14メートル)の高さで仮設支持。125,000トンの土を掘削し、地下開発後は新しい緑地に組み込まれる予定。

    ロンドン市内の中世教会、All Hallows Stainingの塔が、前例のない工事手法によって地上約45フィート(約14メートル)の高さに持ち上げられた。建設現場はシティの50 Fenchurch Streetで、650,000平方フィート規模のオフィスビルを建設するために12万5,000トン以上の土が掘削された。

    塔は1320年頃に建てられたもので、教会としては既に消失しているが、塔だけが残り、14世紀から今日までの歴史を刻んできた。1666年のロンドン大火にも耐えたが、その後の地盤不安定によって倒壊し、再建された経緯がある。

    今回の工事では、塔を鉄骨の仮設構造物で支えたまま地下階を造成し、将来的には再び地面とつなげて新たな緑地空間の一部として活用される計画だ。完成は2028年を予定しており、36階建ての高層ビルには商業施設、オフィス、公共屋上庭園、そして360度の展望を楽しめる公共空間が整備される。

    同敷地内では、St Olave Hart Streetの教会ホールや歴史的建造物であるClothworkers’ Hallも既に取り壊されているが、All Hallows Stainingの塔とLambe’s Chapel Cryptは保存対象となっている。

    ロンドン副市長(ビジネス・成長担当)のHoward Dawber氏は「このプロジェクトはシティの国際的な投資拠点としての地位を象徴するものであり、重要な建設マイルストーンを迎えたことを喜ばしく思う」と述べた。