英国、フランスへの移送を実施:一人入国・一人送還スキームで初のケース
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    英国、フランスへの移送を実施:一人入国・一人送還スキームで初のケース

    2025年9月19日

    英国政府は、フランスとの『一人入国・一人送還』スキームに基づき、エリトリア人男性をフランスへ送還。裁判での最後の阻止申請は失敗し、政府は今後も同スキームを拡大予定。

    英国のエリトリア人男性が、フランスとの『一人入国・一人送還』協定に基づき送還されました。英国政府は人身取引に関する申請基準を厳格化しており、今回の送還は同スキームで裁判上勝利した初のケースとなります。

    男性は8月に小型船で英国に到着し、2019年に強制徴兵を逃れてエチオピア、南スーダン、リビアを経てフランスで野宿していたと証言しました。金曜日にヒースロー空港からエールフランス便で送還され、パリの警察に引き渡されました。フランスの規定では、送還後8日以内にフランスでの難民申請を行うか、母国に帰国する必要があります。

    スキームでは、英国がフランスに送還した分だけ、強い難民申請資格を持つ移民が英国に受け入れられる仕組みです。Trade Secretaryのピーター・カイル氏は「今回の送還は最初の一歩であり、今後拡大する」と述べました。

    これまでの英国の移民送還計画との違いも注目されます。以前のルワンダ計画では、人権侵害の懸念から最高裁が安全国と認めず失敗しましたが、今回はフランスが欧州人権条約に基づき安全国であると裁判所が判断しました。判事は、送還は密航組織の活動を阻止する公共の利益にも資すると述べました。

    現在、約100人がヒースロー付近の移民送還施設に収容されており、8月以降5,590人が小型船で英国に到着しています。今後、スキームを通じた送還と入国の交換が継続される見込みです。