バンクシーの新作グラフィティ、ジェットウォッシュでも消えず
9/10/2025
ロンドン中心部のロイヤル・コート・オブ・ジャスティスに描かれたバンクシーのグラフィティは、清掃作業によって消されたものの、輪郭がなおもはっきりと見える状態です。
中央ロンドンのロイヤル・コート・オブ・ジャスティスに描かれたバンクシーの壁画は、ジェットウォッシュで消されたものの、その輪郭は依然としてはっきりと見えます。バンクシー自身が作成を認めたこの作品は、9月8日(月)にクイーンズ・ビルディングの外壁に出現しました。描かれているのは、血まみれのプラカードを持つ抗議者が地面に倒れ、その上に裁判官がガヴェルを手にして立つ姿です。
壁画は大きな黒いプラスチックシートと金属バリケードで覆われ、建物が法的に保護されたリスト建造物であるため、犯罪行為として報告されました。HM裁判所・裁判官事務局の広報担当者は削除を確認し、ジェットウォッシュでの清掃作業が行われましたが、影のような輪郭は依然として残っています。
通勤途中でこの壁画を目撃したクリス・イングさん(38)は、「警察が規制線を張り、清掃作業をしていました。完全には消えましたが、絵の形はまだ見えます」と語りました。一般の人々は壁画を写真に収めようと集まり、一部はバリケードを動かそうとしたといいます。
バンクシーはInstagramで自身が作者であることを認めましたが、壁画は犯罪被害として報告されており、法的問題に直面する可能性があります。ただし、今後の裁判でバンクシーの正体が明かされる可能性は低いと見られています。
法曹協会刑事法委員会のスチュアート・ノーラン委員長は、「裁判で訴追するには加害者が必要ですが、バンクシーの匿名性と神秘性により特定は非常に困難です」と説明しています。調査はほぼ不可能に近いとされています。
この壁画は、最近のパレスチナアクション支持者への逮捕を風刺しているとの解釈もあります。パレスチナアクションは、活動家がRAFの飛行機に損害を与えたとして、政府により7月にテロ組織として禁止されました。
犯罪損壊の刑罰は損害の程度や意図に応じて異なります。被害額が5,000ポンド未満の軽微な損害の場合は罰金や最大3か月の禁錮刑となり、重大な損害や生命に危険が及ぶ場合は最大10年、極端なケースでは終身刑の可能性もあります。年齢や前科、抗議活動との関連性によっても刑罰は変わります。