2026年ロンドン必見アート展ガイド:侍からルシアン・フロイド、スキャパレリまで

    2026年ロンドン必見アート展ガイド:侍からルシアン・フロイド、スキャパレリまで

    2025年12月21日

    2026年2月から5月にかけてロンドンで開催される主要美術展を厳選紹介。大英博物館の侍展からナショナル・ポートレート・ギャラリーのルシアン・フロイド展、V&Aのエルザ・スキャパレリ展までを網羅する。

    天候に関わらず、ロンドンでは常に質の高いアートを楽しむことができる。2026年春にかけて開催される注目展の中から、特に見逃せない展示を紹介する。


    Samurai(侍)

    会場:大英博物館
    会期:2026年2月3日〜5月4日

    大英博物館は、陶器、浮世絵、織物、武具、写真など約300点の作品を通じて、日本の侍の1000年にわたる歴史をたどる大規模展を開催する。

    侍は当初、貴族に仕える傭兵として登場したが、12世紀以降は政治的影響力を強め、1615年以降の泰平の世では官僚や学者、芸術の庇護者へと役割を変えていった。19世紀後半には世襲制度が廃止される。

    展示の核となるのは、2017年に京都の個人コレクションから収蔵された甲冑一式。兜は1519年に名工明珍信家によって制作され、胴は1696年のものでポルトガル甲冑の影響が見られる。さらに、伊東マンショを描いたドメニコ・ティントレットの肖像画も見どころだ。


    ルシアン・フロイド:ドローイングから絵画へ

    会場:ナショナル・ポートレート・ギャラリー
    会期:2026年2月12日〜5月4日

    20世紀を代表する具象画家ルシアン・フロイドの創作において、ドローイングが果たした役割に焦点を当てる展覧会。ペン、鉛筆、木炭、コンテ、エッチング針を用いた約170点が展示される。

    完成した絵画に先立つ素描だけでなく、完成後に描かれたスケッチも含まれ、フロイドの制作プロセスが立体的に浮かび上がる。


    スーラと海

    会場:コートールド・ギャラリー
    会期:2026年2月13日〜5月17日

    31歳で夭折したジョルジュ・スーラは作品数が少なく、個展は極めて貴重だ。本展では、1885〜1890年にフランス北部沿岸で制作された27点を紹介する。

    スーラは、海辺での制作が自身にとって「アトリエの日々で曇った目を洗い流すもの」だったと語っている。


    トレイシー・エミン

    会場:テート・モダン
    会期:2026年2月27日〜8月31日

    90点以上の作品で構成される大規模回顧展。1990年代の挑発的な初期作品から、《My Bed》、そして癌の手術後に制作された死生観に向き合う抽象画までを網羅する。


    ローズ・ワイリー

    会場:ロイヤル・アカデミー・オブ・アーツ
    会期:2026年2月28日〜4月19日

    92歳を迎えるローズ・ワイリーの回顧展。ポップカルチャーと私的記憶を素材にした、粗削りで反骨精神に満ちた絵画が並ぶ。


    コンラッド・メギ

    会場:ダリッジ・ピクチャー・ギャラリー
    会期:2026年3月24日〜7月12日

    エストニアを代表するモダニズム画家コンラッド・メギ英国初の大規模回顧展。約60点を通じ、短くも鮮烈なキャリアを紹介する。


    ハーヴィン・アンダーソン

    会場:テート・ブリテン
    会期:2026年3月26日〜8月23日

    ターナー賞ノミネート経験を持つ現代画家の初本格回顧展。移民の記憶や場所性をテーマにした約80点が展示される。


    スキャパレリ:ファッションがアートになるとき

    会場:V&A サウス・ケンジントン
    会期:2026年3月28日〜11月1日

    1930年代を代表するクチュリエエルザ・スキャパレリの創造性を称える展覧会。サルバドール・ダリとの共作「ロブスター・ドレス」など、芸術とファッションの融合を示す名作が並ぶ。


    スルバラン

    会場:ナショナル・ギャラリー
    会期:2026年5月2日〜8月23日

    スペイン黄金時代の画家フランシスコ・デ・スルバランの英国初本格回顧展。約50点の借用品とともに、《瞑想する聖フランチェスコ》を含む代表作を展示する。


    ジェームズ・マクニール・ホイッスラー

    会場:テート・ブリテン
    会期:2026年5月21日〜9月27日

    30年ぶりとなる欧州規模の回顧展。《灰色と黒のアレンジメント第1番》を含む代表作で、ロンドンとパリを結ぶ芸術家としての軌跡をたどる。


    2026年春のロンドンは、美術史と現代文化が交差する最高のシーズンとなる。