物語の芯と見どころの紹介です。幕ごとのあらすじと結末は、 読みたい人だけが開ける形で下にまとめています。
オズの西に住んでいた「悪い魔女」。彼女が死んだ日、国じゅうが祝杯をあげた。ただひとり、南の善い魔女グリンダだけが言葉を選びながら民衆の前に立っている。二人はかつて、同じ部屋で暮らした親友だった。
生まれつき肌が緑だったというだけで、エルファバは父に疎まれ、行く先々で笑われて育った。金髪で人気者のガリンダとは、大学で相部屋になった瞬間から反発しあう。それでも二人は、互いのなかに相手が持っていないものを見つけてしまう。片方は正しさを、もう片方は愛されかたを知っていた。
この作品が問うのは、誰が悪者かではない。誰が悪者ということにされたのか、そしてそれを知っていた友人が何を選んだのか。『オズの魔法使い』でドロシーが水をかけたあの魔女に、こういう半生があったのだと知ったあとでは、もう元の童話には戻れなくなる。
緑の肌に生まれた少女。誰よりも強い魔力と正義感を持ちながら、それを使うほど世界から嫌われていく。
愛されることに長けた人気者。友人を選ぶか、民衆に望まれた自分でいるかを迫られる。
何も考えずに生きてきた放蕩の王子。エルファバに出会って初めて、態度を決めることを覚える。
父に溺愛されて育った車椅子の妹。姉の献身を当然のものとして受け取り、やがて姉を責める側に回る。
エルファバの才能を見抜き、引き上げると見せて利用する。世論を作る術を知っている人物。
エメラルド・シティに君臨する偉大な魔法使い。会ってみると、驚くほど普通の男である。
「Defying Gravity」で、エルファバは箒を手に舞台の上へせり上がっていきます。約60台のムービングライトとスモーク、風の演出が同時に襲いかかり、歌声がそれを突き抜けてくる。ここで一度幕が下りるので、休憩に入った客席がしばらく呆然としているのが分かります。この作品を象徴する場面で、映像では音圧が再現できません。
客席に入ると、額縁の上に巨大な機械仕掛けの龍がいることに気づきます。公演中は煙を吐き、首と翼を動かします。美術のユージン・リーは、この「時計仕掛けの龍」の意匠を得るために時計を階段から投げ落とし、飛び出した歯車を設計図に貼りつけたと語っています。開演前に見上げておくと、装置全体が巨大な時計盤だと分かります。
エルファバは低音から張り上げるベルト、グリンダは高音のソプラノで書かれており、二人が同時に歌うと声の色がはっきり分かれます。英語の歌詞を細かく追えなくても、どちらが何を抱えているかが音だけで伝わる設計です。「Defying Gravity」の終盤で二人の声が交差する箇所は、その書き分けが最も効く瞬間です。
スティーヴン・シュワルツは、娘のジェシカが幼なじみと複雑な友情を抱えていたことを知り、「もう二度と会えないとしたら、その子に何と言う?」と尋ねました。娘の答えにあった「大切な人が人生に現れるのには理由があって、それがすぐには分からないこともある」という言葉が、そのまま冒頭の一節になっています。卒業式や葬儀で歌われる定番曲になったのは、この出発点があったからです。
カカシ、ブリキの木こり、臆病なライオン、ルビーの靴——童話でおなじみのものが、この作品では「なぜそうなったか」の答えとして次々に現れます。原典を知っている人ほど、伏線が回収されるたびに客席がどよめくのが分かります。予習は『オズの魔法使い』のあらすじを思い出しておくだけで十分です。
アポロ・ヴィクトリア劇場での開幕は2006年9月27日。2024年4月には6,762回目の公演を迎え、ウエストエンド史上10番目の長期公演になりました。同じ劇場で20年近く同じ演目をかけ続けているため、舞台機構は劇場そのものに造り込まれています。ツアー公演では再現しきれない部分がある、というのはそういう意味です。
ウィキッド を観る日を決めるための情報です。2026年8月時点。演出の改訂で上演時間が変わることがあるため、当日の予定は 公式サイトの案内も確認したうえで組んでください。
劇場が案内する推奨年齢です。入場制限とは限りません。
歌と台詞が交互に来る一般的な構成です。要点は歌で繰り返されることが多く、台詞を取りこぼしても筋を見失いにくくなっています。『オズの魔法使い』の前日譚という設定で、原典を知っていると人物の関係が掴みやすくなります。台詞には言葉遊びが多く、そこは聞き取れなくても筋には影響しません。
Ticketmaster の販売情報より。8月16日(日)時点。休演日や追加公演が変わることがあるため、購入前に公式サイトでご確認ください。
ほか 226 公演。
座席の選び方や最寄り駅はApollo Victoria Theatreの劇場ガイドにまとめています。