物語の芯と見どころの紹介です。幕ごとのあらすじと結末は、 読みたい人だけが開ける形で下にまとめています。
雪に閉ざされた田舎の館。開業したばかりの下宿に、素性の知れない客が次々と到着します。ラジオはロンドンで起きた殺人事件を報じていて、犯人はまだ捕まっていない。
やがて電話線が切れ、道は雪で塞がり、外部との連絡が絶たれます。そして館の中で、一人目が殺される。残った全員が容疑者という、ミステリの原型のような状況がそこから始まります。
この芝居が特別なのは、中身より続いてきた年月のほうです。1952年の初演以来、ロンドンで一度も途切れずにかかり続けている。祖母が観た芝居を孫が観に行けるという、世界のどこにもない演目です。そして終演時には、毎回きまって出演者が客席にひとつ頼みごとをします——犯人が誰だったか、劇場の外では言わないでほしい、と。
夫と二人で下宿を始めたばかりの若い女性。客をもてなしながら、事態が手に負えなくなっていくのを見ている。
妻と共に下宿を切り盛りする男。事件が進むにつれ、妻が夫について知らないことがあると分かってくる。
挙動不審で騒がしい若い建築家。怪しく見えるが、怪しく見えること自体をどう考えるかが問われる。
何にでも文句をつける年配の女性。周囲の反感を買い続ける。
物静かな元軍人。館の構造をやけに気にしている。
スキーで館にたどり着いた警官。ロンドンの事件と、この館にいる誰かが繋がっていると告げる。
開幕は1952年11月25日、アンバサダーズ劇場。1974年に隣のセント・マーティンズ劇場へ移り、以後ずっと同じ劇場でかかっています(コロナ禍の休止を除く)。2025年3月には30,000回公演に達し、ギネス世界記録に「世界最長の上演演劇」として登録されています。
カーテンコールで出演者が客席に向かい、犯人を他言しないよう呼びかけるのが70年以上続く慣習です。この一言まで含めて演目になっており、観客はその瞬間から秘密を預かる側に回ります。ネタバレを避けて行く価値が、他のどの作品より大きい一本です。
セント・マーティンズ劇場は1916年開場の小規模な劇場で、客席数は550ほど。大型ミュージカルの劇場とは規模が違い、舞台と客席の距離が近いままです。20世紀半ばのウエストエンドの空気が残っている数少ない場所で、建物を見に行く目的でも成立します。
歌のない会話劇で、証言の食い違いや言い回しの含みが手がかりになります。台詞を追えないと推理が成立しないため、この作品だけは「予習してから観る」ことをおすすめします。下の物語の流れは結末を含まないので、行く前に読んでも問題ありません。
マウストラップ(ねずみとり) を観る日を決めるための情報です。2026年8月時点。演出の改訂で上演時間が変わることがあるため、当日の予定は 公式サイトの案内も確認したうえで組んでください。
劇場が案内する推奨年齢です。入場制限とは限りません。
会話のやりとりで筋が進みます。話の速さや言い回しに慣れが要る一方、状況説明は台詞の中で明示されることが多く、筋そのものは把握しやすい構成です。推理劇で、手がかりと伏線が台詞の中だけに置かれます。誰が何を言ったかを取り違えると結末の意外性が伝わらないため、英語で筋を追う前提の作品です。
Ticketmaster の販売情報より。9月10日(木)時点。休演日や追加公演が変わることがあるため、購入前に公式サイトでご確認ください。
ほか 223 公演。
座席の選び方や最寄り駅はSt Martin's Theatreの劇場ガイドにまとめています。