全編ラップで紡ぐ、アレクサンダー・ハミルトンの野心と代償。
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物語の芯と見どころの紹介です。幕ごとのあらすじと結末は、 読みたい人だけが開ける形で下にまとめています。
カリブ海の島で私生児として生まれ、孤児になった少年がいる。手元にあったのは本と、異常な速さで言葉を並べる能力だけだった。彼は嵐で壊滅した島の惨状を文章に書き、それが評判になって、島の人々が募金で彼をニューヨークへ送り出す。
そこから20年あまりで、彼はアメリカという国の財政制度を設計します。建国の父たちの物語を、ヒップホップで、そのほとんどを白人以外の俳優が演じる——初演当時これは挑発でしたが、観ると理由がすぐ分かります。移民が言葉ひとつで成り上がる話に、ラップより適した形式はなかった。
同時にこれは、その天才を横で見ていた男の話でもあります。語り手はアーロン・バー。慎重で、機を待ち、決して口を滑らせない男が、待つことを知らない男に人生を追い越されていく。二人が最後に川辺で向き合うまで、物語は「なぜこうなったのか」を延々と説明し続けます。
カリブ海生まれの孤児。書くことと喋ることで這い上がるが、黙るべき場面でも黙れないという同じ性質が身を滅ぼしていく。
物語をこちらに語りかけてくる人物。何事にも態度を保留し、機を待ち続けることを信条にしている。
名家の次女。夫の野心を支え続けるが、その野心が家庭に何をもたらすかを最も近くで引き受ける。
ハミルトンと最も対等に会話できる人物でありながら、妹のためにその関係を選ばなかった女性。
ハミルトンの才能を引き上げた人物。「勝てない戦い方」を知っており、退くことを教えようとする。
反乱を起こした植民地を、恋人に振られた男のような口調で皮肉る。出番は短いが客席が最も沸く役どころ。
振付のアンディ・ブランケンビューラーは、群舞に景色ではなく時間の流れを担わせました。手紙が書かれ、届き、読まれるまでの経過や、銃弾が空を進む一瞬の引き延ばしが、人の動きだけで表現されます。第二幕のハリケーンの場面では、盆の上でアンサンブルが主人公の周りを回り、家具を頭上に掲げて嵐そのものになります。
全編がラップとR&Bで進み、台詞にあたる部分まで韻に乗ります。歌詞の速度は英語話者にとっても速く、初見で全部を取るのは難しい作品です。逆に言えば「聞き取れなくて当然」なので、日本語で筋を頭に入れてから、音の勢いを浴びに行く観方が向いています。
ワシントンもジェファーソンもハミルトンも、黒人やラテン系の俳優が演じます。「かつてのアメリカを、今のアメリカの姿で語り直す」という意図が配役そのものに込められています。歴史劇として観に行くと最初の数分で前提が崩れる作りで、そこがこの作品の出発点です。
ラップで進んできた舞台に、ジョージ3世だけが1960年代のブリティッシュ・ポップ調で登場します。反乱した植民地に向かって、別れ話をこじらせた恋人のような口調で歌う——ロンドンの客席が最も沸く場面のひとつです。出番は短く、それゆえに強く印象に残ります。
ハミルトン を観る日を決めるための情報です。2026年8月時点。演出の改訂で上演時間が変わることがあるため、当日の予定は 公式サイトの案内も確認したうえで組んでください。
劇場が案内する推奨年齢です。入場制限とは限りません。
台詞での説明が少なく、筋は歌と場面展開で進みます。歌詞そのものは聞き取りにくいことがあるため、あらすじと曲順を先に読んでおくと追いやすくなります。早口のラップで進む場面が多く、単位時間あたりの情報量がウエストエンドの作品でも際立って多い作品です。加えて18世紀アメリカ建国期の人名と出来事が前提知識として要ります。予習の有無で理解度がはっきり変わります。
Ticketmaster の販売情報より。9月10日(木)時点。休演日や追加公演が変わることがあるため、購入前に公式サイトでご確認ください。
ほか 205 公演。
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