物語の芯と見どころの紹介です。幕ごとのあらすじと結末は、 読みたい人だけが開ける形で下にまとめています。
神として生まれながら、人間として育てられた青年がいます。力だけは並外れているのに、居場所がない。自分が何者なのかを知るために、彼は英雄になろうとします。
ディズニーのアニメ映画の舞台化ですが、舞台版で最も大きく変わったのは語り手です。5人のミューズがゴスペル隊として舞台に立ち、全編を歌いながら実況していく。物語を語る声そのものが、この舞台の推進力になっています。
冥界の王ハデスは、口の減らない野心家として登場します。ヘラクレスの行く手を阻む彼のやりとりは、ほぼコメディです。
そして物語の芯は「英雄とは何か」という問いに置かれています。怪物を何匹倒したかではなく、何のためにその力を使うのか。ドルリー・レーン劇場という、ロンドンで最も豪華な劇場のひとつで上演されているのも、この作品を選ぶ理由になります。
神の血を引きながら人間界で育った青年。力を持て余し、自分の居場所を探している。
誰も信じないと決めている女性。ハデスに縛られた事情を抱えており、それを隠している。
オリンポスの王座を狙う弟。怒りっぽく口が達者で、この作品では笑いの中心にいる。
英雄を育てては失敗してきた老サテュロス。もう誰も鍛えないと決めていた。
5人組のゴスペル隊として物語を歌い進める。舞台版では出番が大きく増え、実質的な進行役になっている。
映画でも語り手だった5人のミューズが、舞台では出ずっぱりになります。場面の説明も、登場人物への茶々入れも、すべて歌で行われる。ゴスペル由来の分厚いコーラスが生で鳴る作品なので、音楽目当てで行っても損はありません。
シアター・ロイヤル・ドルリー・レーンは、ロンドンで最も由緒ある劇場のひとつで、大規模な改修を経て内装が壮麗に蘇っています。開演前にロビーやバーを見て回るだけでも価値があり、早めに入場する意味がある会場です。
ディズニー映画の筋がそのまま土台になっており、日本でも知られている話です。歌と台詞が半々で、視覚的にも分かりやすく作られています。子ども連れでも入りやすく、ウエストエンドの一本目に選びやすい作品です。
悪役でありながら、この作品のハデスは笑いを担当します。手下の二匹との掛け合いや、思いどおりにいかないときの癇癪が客席の笑いを取る。怖い場面が苦手な子どもでも構えずに観られる作りになっています。
座席の選び方や最寄り駅はTheatre Royal Drury Laneの劇場ガイドにまとめています。