物語の芯と見どころの紹介です。幕ごとのあらすじと結末は、 読みたい人だけが開ける形で下にまとめています。
劇場の扉をくぐった瞬間から、もう始まっています。廊下では奏者が演奏し、踊り手が客の間を抜けていき、酒が配られる。座席にたどり着く前に、あなたは1930年代ベルリンのナイトクラブの客になっています。
舞台は円形で、客席がそれを囲む。テーブル席もある。あなたはこの店の客として、そこにいることを求められます。
物語は、キャバレーで歌うイギリス人サリー・ボウルズと、彼女に出会ったアメリカ人作家の話です。享楽的で、刹那的で、明るい。ところがその背景で、ナチスが力を伸ばしていきます。誰もそれを深刻に受け取らないまま、店の外の空気だけが変わっていく。
そして終盤、あなたが座っているその場所の意味が変わります。楽しんでいた側だったはずが、見ていただけの側だったと分かる——この作品が今も上演され続けている理由は、そこにあります。
店の進行役。性別も国籍も曖昧なまま、客席に直接語りかける。物語の外にいるようでいて、最後に最も重い役割を負う。
キット・カット・クラブで歌うイギリス人。破滅的なほど今を生きることに徹していて、考えることを頑なに拒む。
小説を書くためにベルリンへ来た青年。サリーに惹かれつつ、街の変化に最初に気づく側の人間。
年配の家主。晩年になって訪れた恋と、生き延びるための現実的な判断との間に立たされる。
ユダヤ人の果物商で、シュナイダー嬢の求婚者。「私はドイツ人だ」と言い続ける。
プレイハウス劇場は内部を全面改装され、約550席の円形劇場になりました。通常の額縁舞台ではなく、中央の円形ステージを客席が取り囲みます。テーブル席もあり、劇場というより本当に店に入った状態から芝居が始まります。
本編が始まる前、館内では専属の一座による生演奏とパフォーマンスが続いています。バーは複数あり、この時間そのものが演目の一部です。定刻ぎりぎりに着くと体験の半分を逃すので、60分前の入場が推奨されています。この作品に限っては、早く行くことに実質的な意味があります。
2021年11月に始まったこの演出は、翌2022年のオリヴィエ賞で11部門にノミネートされ、うち7部門を受賞しました。ミュージカル部門の演技賞4つをすべて独占し、レベッカ・フレックナルが演出賞を受けています。近年のウエストエンドで最も評価された再演です。
前半は華やかな見世物として進みます。その居心地のよさが、終盤で反転する仕掛けになっています。あなたが座って眺めていた場所が何だったのかを問われる構造で、笑って観ていたぶんだけ効きます。軽い気持ちで入って、重いものを持って帰る作品です。
キャバレー を観る日を決めるための情報です。2026年8月時点。演出の改訂で上演時間が変わることがあるため、当日の予定は 公式サイトの案内も確認したうえで組んでください。
劇場が案内する推奨年齢です。入場制限とは限りません。
歌と台詞が交互に来る一般的な構成です。要点は歌で繰り返されることが多く、台詞を取りこぼしても筋を見失いにくくなっています。1930年代ベルリンが舞台で、時代背景を知っているかで受け取り方が変わります。歌と台詞が交互に来る構成ですが、politics に触れる台詞は聞き取れないと主題が伝わりにくい部分があります。
Ticketmaster の販売情報より。9月10日(木)時点。休演日や追加公演が変わることがあるため、購入前に公式サイトでご確認ください。
ほか 413 公演。
座席の選び方や最寄り駅はKit Kat Club Theatreの劇場ガイドにまとめています。